⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

  • 上映日:2023年11月17日
  • 製作国:日本
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:アニメ
  • 配給:東映

あらすじ

廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について…
昭和31年―日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。それは恐ろしい怪奇の連鎖の本当の始まりだった。
鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものは―。

Filmarks-映画情報- https://filmarks.com/movies/95901

売店のお姉さんに「駐車券の無料サービスのスタンプもらいたいんですけど、チケットレス入場の場合っとてどうしたら…」と、スマホ画面をお見せしたら、「あっ、ハイ。大丈夫です3時間お付けしますねー♪」と対応してくださいましたが、あの子はひょっとして目視でQRコード読み取れるのか…?というわけで(どういうわけで)観て参りました「⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)」!一応アニメ「墓場鬼太郎」の1話は観ておけというネット上の先人たちの言葉を聴いて、原作は遠い昔に読んだ気がしてはいたものの念のため履修した上での参戦です!

ひとこと感想

すごい!!カエルの卵のスープで水木をもてなす岩子母さんの姿が、目玉になって水木を追うミイラ父さんの姿が、あの妙な距離感の見え方が全部ひっくり返る!!!!これは得も言!超絶面白かった!

以下ネタバレ含むよ。

ネタバレ含むフタコト感想

「金田一耕助シリーズ」をはじめとする往年の日本映画のようなリアリティの世界に、妖怪という非リアリティがシミのようにじわじわ広がっていく世界感が、キャラクターの造詣とか背景の美しさとか細かな所作や設定とかで表現された映像に、水木演じる木内さんのナチュラルなお声とゲゲ郎演じる関さんのちょっと異質なお声が見事に溶け込まされてて、なんかもう難しく書いてみてますけど、とにかくめちゃくちゃかっこよかった!アニメーションなのに実写視てるみたいな、それでいてアニメのド派手さもあって、ものすごい満足感のある104分でした!

あっ。そうだ。直接的な映像描写は無いですけど、「無い」ことが余計に輪をかけて、とんでもなくグロい映画でしたね。保護者同伴で助言・指導が必要なPG-12ということですが、子供に「ねえねえ、おじいさまのお気に入りってなぁに?」なんて聞かれたらどう助言・指導したらいいのか。まめちちがまず助言・指導をいただきたいところです。

霊毛ちゃんちゃんこが祖先の毛で編まれたものっていう設定には覚えがあったけど、滅びかかってたハズの一族がどうやってアレ一枚を編み上げたのかっていう謎解きが激熱過ぎて、もう振り返るとちょっと目元の蛇口がおかしくなるんですけど、サイコーでしたね。もうありがたみが強すぎるので今後はあんまり変なものを包んだりはしないで欲しいです、大事に扱っていただきたい…。それにしても「何故にちゃんちゃんこの形になったのか、羽織やタンゼンではダメだったのか?」という疑問がより深く残されるあたりも含めサイコーに面白かったです。

子供がつらい目にあう話がダメなまめちちなので、最後、乗っ取られてしまったとはいえ時ちゃんがむごたらしい最期を迎えなきゃならなかったのがめちゃくちゃ胸に刺さりましたが、それを次世代の鬼太郎が解決するっていうエンディングもお見事でした。…でも時ちゃんが成仏するときに向かっていった先はどーみても沙代ちゃんだったよな…、と思い出して色々考察しては勝手に「おえぇっ」とエづくなど…。ちがうよね?いちばんやさしかったいとこのお姉ちゃんのところに行ったんだよね…?ね?

あと、ねずみと呼ばれる子供が良かったですね。子供という設定でありつつも、時麿のことを「坊ちゃん」と呼ぶあたりに、この家に結構長いこと居座ってるなオマエ…と、語られない部分が見え隠れしてくるところとかすごくよかったです。パンフに書いてあった、古川さんが何役で配されたのかと絵を見たら「なんだお前か」ってなったって話、だいぶワロタ。

戦争を回想するシーンの迫力がすごかったですね。水木が敵の銃弾に向かって走るシーンは自分が撃たれているかのような迫力でちょっと肩がすくむほどの恐怖感がありました。先生がいなくなってしまってからの創作物である今作は、先生の手から直接紡がれたわけではない作品ではあるけれども、先生が過去の作品で語ってきた体験や思いが、こういう形で物語に織り込まれていくのは、やっぱり素晴らしいことだなあと、思ったりなんだり。

たばこにまつわる演出が面白かった。PEACEと葉巻による貧富差の見せ方とか上手いなぁーってなりましたね。あと所かまわず吸う&ポイ捨て、とかから見える当時の「慣習」とか。いまや嫌悪の対象だけど当時は普通だったってあたりに、村にはびこる「因習」へのフックがあったりなんかするのかなぁー、とか邪推しちゃう。でも、そんな演出からすごく戦後昭和という舞台設定がちゃんと活きてきているから、オハナシの組立がやっぱすごいなぁと。めちゃくちゃよかったですね。

とはいえ、キービジュアルもハッキリ見ずに「わーい、鬼太郎だー♪観なきゃ観なきゃ―♪」くらいのテンションで観に行ったまめちちには、ものすごい剛腕ストレートパンチノーガードで食らったかの衝撃と面白さの映画でございました。面白かったー!あと、主人公が雅子さんでもみゆきさんでもなく、まさかの笛のお兄さんでビックリでございました。言って、最初に言って!(言った)

最後!入場特典観ましたけど、これはだめだ!こんなの見たら出涙多量でまめちちの目玉がおやじ殿になって流れ落ちてしまうよ!!


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