犬王

犬王(2021年製作の映画)

  • 上映日:2022年05月28日
  • 製作国:日本
  • ジャンル:アニメ

あらすじ

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。「ここから始まるんだ俺たちは!」壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。

Filmarks-映画情報- https://filmarks.com/movies/84764

と、ゆうわけで観てきました『犬王』。

ひとこと感想

壇ノ浦ロックフェスやばい。エモすぎるサイコー。

初見、室町時代の琵琶法師と能楽をテーマにした『ロックオペラなミュージカルアニメ』という視点から観たまめちちには、その時点ですでに100点満点のお話でした。特に腕塚と鯨、かっこよすぎてふるえる…。いや竜中将もだけど…。生で超観たかった…。室町に生まれたかった…!

展開と演出の情報量に、鑑賞直後は圧倒されるだけだったけど、その後内容を思い出し反芻し始めると、駈け足で通り過ぎるかの如きラストシーンの演出が、じわじわと『犬王と友有(魚、一)の物語』の切なさとともにあとから追いかけてきて、いや、もう一億点満点です。

ということで、速攻でサントラ聞いたらもううわすごい、これはすごい、圧倒的過ぎて、もう、もう、もうですよ。

まずアヴちゃんのあのオクターブまたぐ歌唱表現が異次元ですごいし、そもそもそれが嫌味に聞こえさせないのが女王蜂のすごいところだと思う(勝手に思ってる)んだけど、まさにその表現方法が歴史に埋もれし稀代のポップスターとしての犬王のキャラクターにドはまりしてて、もうなんだ、あの人以外に犬王が成り立たないっプリがすごいね。

楽曲もかっこよかったー。ジミヘンだったりQueenだったりのオマージュもさることながら、キャッチーで耳なじみの良いメロディと、全編日本語歌詞でありつつ洋楽ロック感のある語感がすごく良い!アレンジなんかもめちゃくちゃかっこよかったし、「当時あり得ない楽器の音がする」ってゆう身も蓋もないコメントが散見されたけど、「いや、琵琶やぞ。時代がいつであれディストーションくらいかかるわ。」と論破しても全然納得するw。そもそもサントラを聞いてみて思ったのは、エレキギターで奏でるメロディが篠笛の音のように表現されていたりとか(いやそうじゃないんかもしれんけどそう聞こえた)、「そんな風に聞こえたかもしれない」音の使い方がされているようにも感じたし、既に失われ現世に残らなかった犬王の演目なんだからこそ、無論誰も知らないし、現代を生きる我々には知る由もないことだからこそ、きっとこうでも有り得るんだと、個人的には飲み込めたし、そういう世界観の構築と表現に何よりも感動したー。

そしてたまらず原作も読んだよね。一気に読んだ。読んだのだ。あの文体の疾走感。なんかそんな書き方になってしまうがw。ああ、この解釈がアニメの絵なのか演出なのか。すんごいなぁ…、と思いました。小説のラストの台詞もグッとくるよぉ…。

ゆうても平家物語についての知識が祇園精舎の鐘の声~くらいのものを、ここんところのアニメ平家物語と鎌倉殿で固めている程度しかないから、この辺の知識武装したらもうどうなっちゃうんだろうかと思いつつ、やっぱりこうゆう歴史観も含め知識があることって大事だなと思いました。はい。

シン・ウルトラマンとトップガンマーベリックにかき消されそうなので、大画面で観れるうちに。

ちなみに賞味2回鑑賞。2度目はシネマシティの極音で。音で言うならやっぱりあそこが一番好き。いいか悪いかは知らんが、超好き。


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