ルックバック

ルックバック(2024年製作の映画)

  • 上映日:2024年06月28日
  • 製作国:日本
  • 上映時間:58分
  • ジャンル:アニメ

あらすじ

学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられる…。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思い。
しかしある日、すべてを打ち砕く出来事が…。胸を突き刺す、圧巻の青春物語が始まる。

Filmarks-映画情報- https://filmarks.com/movies/114872

劇場で「なんかとんでもない画圧のアニメだな」と思ったCMを見た記憶があったのですが、話題な様子なのに近所の映画館で上映されてないことに唸りつつ、体調回復したことだし少し足を延ばして観に行ってまいりましたよ「ルックバック(2024年製作の映画)」!

ひとこと感想

机に向かって漫画を描く主人公の背中と、その机に乗ってる手鏡に写る表情のリンクしたアニメーションに、もう冒頭から「すごっ」ってなりましたが、以降、ずっとそのまま最後までその調子だったことに気が付いてぶるぶる震えたのは、劇場の照明が明るくなってからで、観ている間の58分間、ストーリーへの引き込まれ方が尋常じゃなかった…。いや、面白かったぁー…っていうか、せつないなぁぁぁ…。

以下ネタバレ含むよ。

ネタバレ含むフタコト感想

原作未読勢のまめちち、「冒頭から号泣必至」と噂を聞いていたわりには耐え切った方で(というか号泣までは耐えしのいだだけで涙腺は終始ぶっ壊れてま)したが、エンドロールの間、「スクリーン越しの私たちの距離からは絵が見えない」デスク前の窓ガラスに張られたあの四コマが、「京本の描いたもの」なのか、「破り散らした自分のもの(を繋ぎ合わせたもの?)」なのか、それとも「ほんとに真っ白なもの」なのか、を考えだしてしまったとたん、今までのシーンが脳内フラッシュバックしてやばかった。あの時間はせつなかったあぁぁ…。

劇中、京本の家族が描かれていないのは、余計なシーンの排除なのかなと推察しつつも、正直、シチュエーションとして全く姿かたちが見えないのは違和感だよなと思っていたんだけど、これはそもそも二人の記憶ではなくて、あくまで藤野ちゃんの視点・物語・世界であることを示唆している部分なのかしらと思ったり。ともすると、「扉の外へ連れ出さなかった世界線からやってきた京本の四コママンガ」は、京本の残した四コマを見た藤野ちゃんが、その瞬間に夢想した世界だったのかもしれないのかな…。うわ、それもそれでつらいな…。

そうはならなかった世界にいる限りは、残った結果がすべてではある受け止めきれない悲しさがあるけど、自分が開けさせた扉の裏に、「なぜ描いたのか」という藤野ちゃんの問の答えもまた、そこに残っているのがめちゃくちゃ胸にキました。自分が放った言葉か、京本の言葉か、「せなかをみて」という言葉が、何もかもにつながっていくことに、涙が止まらなくなりました。

最後、窓ガラスに映った仕事場の扉が、閉じられることなく灯が消えてゆく感じで終劇してくのがとても良かったです。開けた扉はもう閉じない、これからも背中を見ていて欲しい、って藤野ちゃんの決意なのかなとか考えては、あああ泣いちゃう。

どうか二人で夢を追いかけた日々のことを、振り返った時にみた京本の笑顔のことを、変わらないものを、藤野ちゃんは忘れずに歩き、描き続けてゆく未来を、願わずにいられません。

「ルックバック」→「せなかをみて」のながれで、ちょっとシャマラン監督の「サイン」の「見て打って」のことを思い出した。おおよそ、話を組み替えたら通ずるものがあるよね。時間や空間を超えた啓示だったんだね。

※追記

原作読みました。漫画原作のアニメ化の極みを感じました。行間ならぬ「コマ間」の埋め方に、どれだけの愛が込められてるのかを思い知ったぁぁ。スキップのトコの4コマから聞こえるザッシュッザッシュッ感の再現とか、もうとんでもないよね…!

演出的にはやっぱラストのスタッフロールの締め方のところが、介錯深まってて沼。深さがヤバイ。助けておぼれる。

「原動画」という役職に当初「何という負担過多…!」と正直思ったけど、これは愛ですね、愛…!


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