きみの色

きみの色(2024年製作の映画)

  • 上映日:2024年08月30日
  • 製作国:日本
  • 上映時間:100分
  • ジャンル:アニメ
  • 配給:東宝

あらすじ

高校生のトツ子は、人が「色」で見える。嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。そして、自分の好きな色。
そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。
学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。
バンドの練習場所は離島の古教会。音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。
周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり―やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。

Filmarks-映画情報- https://filmarks.com/movies/106966

「バンドもののアニメらしい」という、しかも聞きかじっただけの情報で、誰が出てるのか、どこが作ったのか、監督が誰なのか、何だったらCMすら見てない、全く何にも知らない状態で観に行ってきました「きみの色(2024年製作の映画)」!

ひとこと感想

その楽器扱ってるだけでも驚きなのに、なんだその離島に引きこもってる場合じゃないレベルのとんでもない演奏の上手さは!?という衝撃がすごかったですけど、そんなことはさておき映画として、ものすごい映像と音の総合芸術に感動しました、ヤバイ、これは筆舌に尽くしがたし名画!超面白かったーッッ!!

以下ネタバレ含むよ。

ネタバレ含むフタコト感想

「共感覚」的な特殊能力が超常の力で物語をけん引するのではなく、死生観を狂わすような大事故や大事件が物語を揺さぶるのではなく、あくまで普通に生きる子供たちが出会うヒトと掴むものによって先を切り開いていくっていうお話を、お芝居と、色彩と、動きと、音楽で、丁寧に紡ぎ合わされているのが本ッッ当に素晴らしかった。途中、アニメ映画を観ていることを忘れてしまうレベルだった…。

なんか感動を文字にして残したいがうまく言えないので、いつも通りどーしようもないことを書いておこう。

◇音的な目線で。

バンドやろうぜモノでついに「当方テルミン担当」が現れる時代になったのかと衝撃でしたが、ルイ君がCUBASEっぽいDAWで作業してたりするとことか、ソファと一緒にDX7味のあるキーボード拾ってきたりするとこにムフフとなりました。

初心者のきみちゃんがリッケンバッカーからORANGEのミニアンプつなげてペケペケ弾いてるのもなかなかかわいかったですけど、クライマックスのライブシーンでエフェクター1コからアンプ直通の男気セッティングでガンガンに歪ませてきたのがなかなかに衝撃でした。※いろいろ調べてみたらコンパクトの形したマルチなのね。

あとアニメ映画のバンドもので、女の子ギターボーカル、テルミン&シンセetc…、キーボードの3ピースときたらYOASOBIっぽそうな音でも出てくるのかと思ったら、どちらかというと電グル寄りなとんがった音で度肝抜かれたんですけど、音楽担当が牛尾憲輔さんだったんですね。劇中に流れたUnderworldのBorn Slippyのアレンジがめちゃくちゃしびれた、すごいカッコよかったなあれ。

IMAXで観たんですが、音のことで言ったらここじゃなかったなぁー、と思っちゃいました。ローが超出てるので極音向けですね、絶対。時間あったらあっちでおかわりしたい…!

◇アニメ映画の目線で。

こないだの「ルックバック」も動く絵としての衝撃がすごかったけど、さすが「犬王」や「平家物語」のサイエンスSARUさんで、ものすごいキメの細かい動きと鮮やかな色彩美に感動でした。トツ子の踊るシーンとか、実写を見ているかのよう…という言い方をするとなんか違うというか、アニメーションとも実写ともつかない何か新しい映像表現を見ているような気持ちになってすごかったぁ。

トツ子の目を通してみる「共感覚」の世界の「映像としての美しさ」も良かったけど、なによりその特殊な力が超常現象を起こすわけではないのも良かった。人から見える美しい色と同じものを、音の中から見つけて、それを音楽としてみんなで重ねていく描写が、音楽をちょっとかじった身としてはなんかとってもじんわり感動してすごく良かったなぁ。

古教会での合宿でろうそくの火が燃え移って大火災とか発生しなくてよかったよね…!もう最近「強烈な事件が発生することがお約束」的な面が映画にあるから、物語の進み具合に於いて「なんかそろそろとんでもないことが起きるんじゃないか…?」と身構えてしまうんだけど、起きたことといえば寮に部外者が忍び込んだ程度の事件で本当に良かったなって思いました。でも映画だからって「必ずしも大事件が起きないと話として成り立たないことはない」っていうのが実践されてるのはやっぱりすごいよなと、お話の構成の仕方にも感動しました。

なんにしてもとても素敵な映画でめちゃくちゃ感動しました。「これ以上のアニメ映画はもうないんじゃないか」と思う作品が、次々に生まれているのを見ると、いったいどれぐらいの人柱のもとで成り立っているのかと本気で心配になりますが、いつも感動を与えてくれるクリエイターの皆様に最大の感謝と敬意をこめて、楽しまなきゃいけないよなといつも思ってます。なのでもっかい観てきます!ありがとうございましたぁ!

…ところでルイくんはあれだな、女子高の学園祭にしれっと参加とかしてて、なんか、そこが一番ファンタジーだったな…。いいなぁ…。あ、あとあれだ。きみちゃんのおばあちゃんの私服みて、まめちちの脳内の高木渉ボイスの黒人が全力で「ばあちゃんッ!?」って叫んでたよね。

なにそれかわいい。

※追記:音がイイあの映画館でおかわりしてきた。

やっぱLowが効いててよろしおすなぁ、極音は♪。音についてはIMAXよりも断然自分の耳には合ってるのよね。ライブの臨場感マシマシで非常に良かったです。

で。いろいろ気付きを得たので書き散らし。

◇「あるく」~160,160,148と75,213,232~

きみちゃんの「あるく」の元曲、ルイくんはコードを微妙に入れ替えてるんだね。その音の波形の違いをトツ子が青色を包む緑色に見た演出にグゥッってなった…!グレーがターコイズっぽい青になってるのね。

◇お兄ちゃんの存在

ルイくんのお兄さんと思われる子と家族3人で映ってる写真のカットの後に、きみちゃん家のシーンに切り替わってからの「お盆には帰らないって―」っていうセリフが入る、あのシーンのつなぎ方に唸ってしまった。

悲しい事件が起きないでよかったと感想に書いたけど、そういう出来事は随所で起きていて、起きてはいるけどわかりやすく描写はしていないところがすごいんだね。トツ子がバレエをやめてしまったことだって、きっとそうなんだろうな。

そういうシーンの積み重ねが3人へのいとおしさにつながってるんでしょうね。いや、すばらしい。


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